ひょっこり
去った木曜日
県立高校の合格発表日
朝9時半頃
「先生、○○高校に受かったよっ」と ちょっとにかんだ男子生徒からの電話
午後、
教室が始まり しばらくたって
「先生、高校合格したよ~ 今から行ってもいい?」
と 嬉しそうな女子生徒からの電話
ともに 約1年前
中学3年進級時、受験のため塾に切り替え、退会していった子どもたち
受験日前日、
それぞれのお母さんへ電話入れをしたから
こうして
報告の電話をくれたり
会いに来てくれたのだろう
金曜日の夕方
不意に あの黒糖カステラの少年が顔を出した
この子もまた
ちょうど1年前の朝
「高校合格しましたっ!」と喜々として電話をくれた一人
今回の合格発表の日に それが思い出され
懐かしさのあまり 思わず
「高校がんばってますか~?」と電話入れ
お母さんとしばしゆんたく
たまには顔を見せてね!って伝えていて下さいねと受話器を置いた
その翌日の金曜日の夕方に
律儀にも 顔を出してくれた
「なんで、今日 教室の日じゃないのに開けてるの?」から
始まり、学校での様子や通っている格闘ジムのこと
シャイながらも 楽しそうに話してくれる
「みんなも会いたがっているから
今度は教室日の夕方、顔を見せにきてよ!」と話したら
一瞬驚いた表情で
「なんで みんなが俺のこと わかるの?」・・・・
「????」
「あっ ごめんごめん。みんなっていうのは子どもたちじゃないよ。
他の先生たち、他の先生も元気かな~って会いたがっているよ」
「は-びっくりした~ なんでみんなが俺のことわかるのかって
思ったさ~」
そんな他愛ないやりとりが なにより嬉しい
30年経過したベテランの先生方が口々に
この仕事の醍醐味はね
教え子が 就職したとか、結婚したとか
そういう報告をしながら訪ねてくれたり
その子どもを連れて また通ってくれたりすること
長くやっていて よかったと思う瞬間よ
と おっしゃる意味が 最近すこ~しだけ
わかるようになってきた
2009年4月にスタートさせたこの仕事
不安や疑問だらけ
わが子は3人いるものの
どちらかというと 子どもは苦手だと思っていた
そんな私が
この教室をとおして
子どもたちとのかかわりをとおして
ちょっとずつ成長させてもらっている(はず・・・)
うしろからちょろちょろついてくる子
隣の席に座りたがる子
うーまくや ちょっかいを出す子
どの子も 目をかけ必要な手をかけてあげることで
気持ちが落ち着き、
いきいきと輝いてゆく
できた、わかった瞬間の嬉しそうな表情
解けなくて思わずこぼれるくやし涙
そんな 一人ひとりの
がんばる姿に
私も背中を押される
できたね!がんばったね!のハイタッチ
毎回の学習日が
予想どおりではないハプニングも
今は とても楽しめるようになった
教室から見える
ガラス越しの街路樹の新緑
織りなすやわらかい木漏れ日
季節は移ろいゆくけれど
こうして
この場所で
出会えたかけがえのない子どもたち
その縁を大切に
そして いつでも いつまでも
ひょっこり顔を出せる
そんな場所であり続けたい な
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